義歯（欠損補綴治療）に対する思い

平成8年（1996年）の開業当時より、入れ歯治療の方法・製作のステップにこだわりを持って診療しております。

当院では岩手医科大学歯学部臨床教授　藤野修が厳選した全国の歯科技工士との連携で治療にあたっております（詳細はクリニックにてお尋ね下さい）。

超高齢化社会になり複雑な問題（著明な顎骨の吸収、噛み合わせの位置の異常等）が生じた入れ歯の患者さんが多く、一つの入れ歯を作り直すのみではあらゆる不快症状を解決することが出来ない例が大半です。つきましては、治療用の入れ歯や仮歯の製作など、保険治療範囲外の費用負担を含めた治療計画の提示の可能性がありますことをあらかじめご了承下さい。

入れ歯（義歯）の重要性

QOL（生活の質）の向上を目指して

生活する上で「健康な歯」でいることが、QOL（生活の質）の向上へつながります。入れ歯の治療で、しっかりと咀嚼ができる、噛み合わせが改善される、楽しくおしゃべりができる、など日常生活にも大きな影響をあたえてくれます。

「食べ物を噛み、味わう」

この当たり前に行われている咀嚼は、脳を刺激し活性化させるため、認知症と関連していると考えられています。

高齢者で認知症が進行している方は、噛み合わせの合っていない義歯を使用し、咀嚼が困難となり流動食になっている、という方が少なくありません。噛み合わせを改善し、しっかりと咀嚼ができるようになると、認知症の症状が改善されたというデータがあります。入れ歯で補うことで全身の機能の低下を防止することができるのです。

ご自分の健康な歯で、しっかりと噛むことが一番の理想ですが、義歯を使用されている方は、きちんと噛み合わせの合うように調整することが重要です。失われてしまった歯は二度と戻りません。費用は決して安くはありませんが「この先も健康で楽しい暮らしをおくりたい」という希望や期待にお応えいたします。

老化への影響

口は「噛む・飲む・話す」と、人間の基本的な機能を担っている器官です。しかし、歯を失い、これらの動作ができなくなると器官の機能が低下し、老化のスピードも加速してしまいます。歯を失うということは、脳や筋肉の老化につながり、体全体にも悪影響を及ぼしてしまいます。

脳の活性化

「噛む」動作は、脳に刺激を与え、活性化させるため認知症予防に有効的と考えられています。脳が消費するエネルギーは、どの臓器よりも多いため、より多くのエネルギー源が必要となります。「噛む」ことで、脳へ酸素と栄養を送りこむことができ、代謝が上がり脳の活性化へつながるのです。

部分入れ歯と総入れ歯

部分入れ歯

ご自分の健康な歯が１本でも残っている場合は、部分入れ歯が適応となります。
補綴構造設計士との連携で部分入れ歯の骨格（フレーム）やバネ（クラスプ）の基本設計をし、治療のゴールを見据えた仮歯の製作をします。

仮歯の装着後に機能および審美性の確認をおこなったのちに、最終的な被せ物と入れ歯の製作・装着をします。

総入れ歯

超高齢化社会になり複雑な問題が生じた入れ歯の患者さんが増えております。
上顎、または下顎の歯のほとんどが失われている場合は総入れ歯となります。
ピンク色の義歯床が吸盤のように、粘膜に吸着します。

近年の総入れ歯は進化しておりとても精巧なため、噛み合わせや装着感、お喋りも違和感なく自然です。
噛み合わせの位置の改善のために、仮の入れ歯（治療用義歯）を製作する場合も有ります（保険適用外）。

保険適用と保険適用外の入れ歯

入れ歯は、使用する材料などによって保険が適用されます。

保険適用の入れ歯

保険適用となる入れ歯は、レジンと呼ばれるプラスチックの材質になります。
そのため、厚さがあり装着感への違和感は否めませんが、経済的で患者さんの負担も少なく抑えられます。

保険適用外（自費）の入れ歯

機能性・審美性に優れ、使用する材質を選択することが可能です。
コストが高い点がやはりデメリットではありますが、見た目も装着感も違和感はなく、自然です。

様々なタイプの入れ歯

金属床義歯

義歯床が金属で作られており、強度は高く薄いため、装着時の違和感は少なくなります。
また、舌の動きの妨げにならないため、話しているときの不快感もありません。
飲食も、温度を感じることができるので美味しく頂けます。

レジン床義歯（保険適用）

一般的な入れ歯で、レジンと呼ばれるプラスチックでできています。
また、保険適用のため、費用面でお悩みの方におすすめです。保険適用の入れ歯でも「噛む」ことは問題なく行えます。
従来の保険適用の入れ歯と比べても、審美性・耐久性・実用性なども進化しています。

インプラントオーバーデンチャー 

インプラントを支持として使う入れ歯です。
従来の義歯の機能に加え、インプラントを併用することにより顎骨の保存に極めて有効な治療法です。 歯科用CTおよび画像診断ソフトを用いた詳細なシミュレーションをおこないます。

上下の顎の骨、噛み合わせの状態によって最も適したアタッチメント（ロケーター、磁性アタッチメント、ミリングバー等）をご提案致します。
固定するアタッチメントに関して (治療期間・費用等)は、ご来院の上、ご相談をお願いいたします。

入れ歯（1床：片側）の費用

費用一覧

※ 部分入れ歯（コバルトクロム）：欠損歯数によって金額が変わります（基本設計、構造設計含む）。
※ インプラント オーバーデンチャー：義歯に加えてインプラント 上に使用する部品も別途必要になります。

患者様お一人ずつのオーダーメイドとなるため、電話やメール等での料金説明は致しかねます。ご来院の上、ご相談をお願いいたします。

入れ歯（義歯）の調整

今、使用されている入れ歯に満足していますか？

• 装着がいまいちで不快感がある。
• 食べ物が噛みにくい。
• 入れ歯が痛くて噛めない。
• 違和感があって喋りにくい。

こんなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。
ご自身に合わない入れ歯を我慢して使い続けることはおすすめできません。

当院では、入れ歯の調整や修理に対応しております。他の医院で造られた入れ歯でも可能です。
患者さんにきちんと適合するように調整致します。
使用されている入れ歯に違和感を覚える方は、まずは一度ご相談下さい。

入れ歯のお掃除について

入れ歯も、ご自身の歯と同様にプラークや歯石が付着します。
食後は歯磨きをするのと同じように、入れ歯もお掃除をしなければ細菌が繁殖してしまいます。

入れ歯のお掃除の仕方

• 汚れを洗い流し、ブラシで磨く。
• 就寝時は、入れ歯洗浄剤につけておく。

歯磨き剤に含まれる研磨剤で入れ歯が傷つくことがありますので、歯磨き剤は付けないでください。柔らかめのブラシで磨き残しのないようにお手入れをしましょう。